使い方
Inkubus は役割ごとに画面が分かれています。基本の流れは「新規実行画面で設定して生成 → ライブラリで読む → 製本画面で 1 冊の本にする」。気に入った作品は 拡張(続編・おまけ) で続きやスピンオフも作れます。各画面の役割を順に見ていきましょう。
各画面に入る前に、Inkubus が生成する 1 作品の構成を見ておきましょう。次の順にブロックが生成されます。
タイトル・著者・あとがきは失敗しても本編は続行します(fail-open)。著者は「なし/手入力/AI 生成」から選べます。
01 新規実行画面
1 回のバッチでどんな作品を、何本書くかを指定して生成を開始する画面です。「① 何を書くか → ② どう書くか → ③ どう回すか」の 3 段構成になっているので、上から順に埋めていけば設定が終わります。ふだん触らない項目は折りたたみの中にあり、一度開くと次回も開いた状態で表示されます。
- ロール: 書き手のペルソナ(官能小説家 / SF 小説家 / ……)。カスタムロールは ロール画面 で追加できます。
- 制約: 簡単にいうと「制約=プロット」。どんな小説を書くかを伝える設計図で、AI は「厳密に守る」と指示されます。一言でも動きますが、狙った作品にするなら数行〜(登場人物+あらすじ)しっかり書くのがコツ。→ 制約と参考アイデアの書き方(サンプルつき)
- 参考アイデア(任意): 付箋風カードに物語のタネを書いておくと、AI が「使いたいものだけ取り入れる」ゆるい手札として扱います(無視されることも)。複数行のコピペで一括展開できます。→ 書き方
- モデル: 生成に使う Ollama のモデル。生成時間と文章の質はここでほぼ決まるので、章数より先に選ぶ並びになっています。(モデル別の実測 →)
- 章数: 1〜100。数値の欄は [−|値|+] で増減でき、右に単位(章・秒・作品)が付きます。項目の説明は (i) ボタンの中です。
- 本編の目安文字数: 1 章あたり約 2,500 字を基準に章数から自動算出。手動で書き換えも可。
- 予測時間: いま選んでいる接続先とモデルのこれまでの実績から、生成にかかるおおよその時間を表示します(実績が無い組み合わせでは出ません)。章数やスリープを変えるとその場で変わります。
- 作品数 / スリープ: 1 回のバッチで何本書くか(「複数作品を一度に生成する」の折りたたみ)。あわせて作品と作品の間に挟む待機時間(作品間スリープ、GPU 冷却用)を秒で指定します。バッチとバッチのあいだは、次のバッチに設定した作品間スリープのぶん休憩します。章数が 2 以上のときは章と章のあいだのスリープも指定できます(既定はオフ)。
- 途中まで生成して止める: 章数とは別に止める章を指定できます。「寝る前の数時間だけ回したい」ときに使い、続きは 章の執筆再開 から。
- Ollama 詳細設定: think / seed / temperature / num_predict / repeat_penalty の 5 つ。空欄・設定なしのままならモデルの既定が使われます。seed はサイコロボタンで値を入れられますが、空欄のままが推奨です(章ごとに違う乱数が使われ、作品の中に自然な振れ幅が出ます)。値を入れた場合はその seed が作品に記録されます。
- think: Gemma 4 のような「考えるモデル」に、本文の前の考えごとをやめさせる設定です。OFF にすると考えごとのぶんの生成が無くなるので速くなります(文章がどう変わるかはモデルと作品によります)。既定の「設定なし」は「考えない」という意味ではありません — Ollama に何も伝えない状態で、考えるモデルはこれまでどおり考えてから書きます。→ よくある質問「『設定なし』と『OFF』は何が違う?」
制約やアイデアが煮詰まったら: 姉妹ツール Mycelink(マインドマップでネタ出し)で、1 ワードから物語のタネを枝分かれさせられます。「Mycelink でネタ出し → Inkubus で本文化」。
最初は 4 章程度で試すのがおすすめ。1 作品の生成時間を把握してから、章数や作品数を増やしていきましょう。(モデル別の 生成の目安 →)
終章のスタイル(任意・既定は標準)を ON にすると、結末を 5 種から選べます。
- ハッピーエンド — 登場人物が明確な救いや幸福にたどり着く。葛藤や苦みは残さず、前向きに締める。
- ビターエンド — 明確な救いは無いが、小さな希望や余韻を残す苦みのある結末。
- メリーバッド — 本人は幸福だが客観的には救われない。幸福と不幸の対比。
- バッドエンド — 破滅・敗北・絶望へ。救いや希望は描かない。
- オープンエンド — 結末を明示せず、読者に解釈の余地を残す。
画面下部のボタン:
- 生成開始 — 即座にバッチを開始し、小説ビューへ。実行中やキャストの AI が動いている間は押せません(バナーで案内、詳細は ジョブの排他制御)。
- キューに追加 — ジョブ画面 に積みます。寝る前に複数設定を積んでから開始するのに便利。
02 小説ビュー
章ごとにトークンがストリーミング表示される、個別の生成結果画面です。
タブを閉じても裏で生成は続きます。ヘッダ右の「実行中」バッジからいつでも戻れます。
- まとめて生成したときは、上部のツールバーの「‹ 作品 3 / 100 ›」から作品を切り替えます。押すと一覧のパネルが開きます。
- 右上の「バッチを停止」からソフト停止(章完了まで待つ)/ 強制停止(即中断、途中まで保存)を選べます。
- 完了した作品は
.md/.txt/.epubでダウンロードできます。章ごとのコピーは、章の見出しの右に出るコピーアイコンから。 - 読む / 編集 / 推敲の 3 モード: 上部のセグメントで切り替えます。「編集」は本文の手直し、「推敲」は本文をぜんぶ読ませてタイトルとサブタイトルの案を出してもらうモードです。→ AI推敲(タイトルを付け直す) / 作品の編集
- 編集のヒント: 章の終わりに「あとがき」の見出しが紛れ込んでいるなど、直したほうがよさそうな箇所があると枠で知らせます。勝手には直しません。→ 作品の編集
- 読み方を選べます: 上部の「小説表示方法」で全章一括(既定)と章ごとを切り替えられます。章の多い作品は章ごとが読みやすく、目次・前後ナビ・「続きから読む」が使えます。→ 読書ビュー(章ごと表示)
- 気に入った文章に栞: 本文をドラッグ選択すると 5 色のマーカーで保存できます。→ ブックマーク
- 途中で止まった作品は続きから: 停止・中断したバッチは「続きから再開」で続きを生成できます。→ 章の執筆再開
03 ジョブ画面
これから走らせるバッチを積んでおき、順番に実行する画面です。寝る前に複数設定を積んで朝に結果を揃えたい時に使います。
- 稼働中 / 停止中: 起動ボタンでトグル。サーバ再起動後は常に停止中にリセット(意図せぬ自動起動の防止)。
- 並べ替え・削除: 行を展開して順番調整、
×で個別削除。 - 連続失敗で自動停止: 2 回連続で失敗するとキュー全体を自動停止します。
04 ライブラリ画面
過去の作品を一覧できます。
- 検索(タイトル・著者名)と、お気に入り / 再開待ち / おまけ のしぼり込みボタン、ロール・モデルの選択が上部にまとまっています。
- 再開待ちは途中で止まっている作品だけの表示。カードのバッジ(計画停止・停止・中断)で状態が分かり、開いてそのまま続きから再開できます。
- おまけを押すと、原作から作ったおまけ作品だけが並びます(ふだんの一覧に、おまけは混ざりません)。
- ♡ でお気に入り。作品カードをクリック → 小説ビューへ直接ジャンプ。
- ページャー(20 件 / ページ)で件数が増えても辿れます。
- 保存した文章の横断一覧はブックマーク画面(ヘッダーのライブラリの右)へ。
v2.0 から: 完成作品から「続編」や「おまけ」を作る拡張に対応。ライブラリでは「おまけ」のしぼり込みや種類フィルタ、原作⇄おまけの行き来ができます。
05 ブックマーク画面
小説ビューで保存した文章を、作品をまたいで一覧できる画面です(ヘッダーのライブラリの右)。
- 作品ごとにまとまって並び、作品が多いときは 8 作品ずつのページに分かれます。
- 上部の色ドットで色ごとのしぼり込み。行頭の色ドットからは色の付け替えもできます。
- 各ブックマークにメモ(300 字まで)を残せます。空にして保存すればメモだけ消せます。
- 抜粋をクリックすると、その作品のその位置へジャンプします。
詳しい使い方は ブックマーク を参照。
06 製本画面
できあがった作品を縦書きの EPUB(電子書籍ファイル)に仕上げる画面です。小説ビューの「製本」ボタン、またはヘッダーの製本から開きます。
- トップは本棚: これまでに作った本が表紙の並んだ棚になっていて、そこから続きを直せます。
- 表紙: 用意された柄と自分の画像がタイルで並び、いつでも選び直せます。自分の画像は本の形に切り取る画面が出ます。キャストの画像からも持ってこられます。
- 装飾エディター: タイトル文字を表紙の好きな位置に置ける別画面です。書体や縁取りの型が選べ、
【】で囲んだ部分だけを大きく色を変えて強調できます。 - 口絵: 本文の前に入るカラーイラストを最大 12 枚まで。名前の帯を焼き込めます。
- 本の中身: あらすじ・登場人物・あとがきを 1 つずつ入れる / 入れないを選べます。原作には手を触れません。
- 書誌・奥付: 発行者・発行日・著作権の文。本にするときだけ著者名を差し替えることもできます。
- 紹介文: 販売ページに貼る文章を、長さ別に何案かまとめて作れます(本の中には入りません)。
- 試し読み: 書き出す前に、本のかたちのまま通して読めます。タップかスワイプでページを送り、横長の画面では見開きになります。
- 出版の準備: ふだんは畳んである欄で、開くと Kindle(KDP)に出すときの条件を教えてくれます。ストア用の表紙もここから書き出せます。
詳しい使い方は 製本(EPUB を作る)、出すときの注意は Kindle に出す(KDP)、読むアプリは EPUB を読むアプリ を参照。
07 キャスト画面
画像から AI がキャラ描写を作って登録、新規実行の制約欄にワンクリックで挿入できる機能です。同じキャラを毎回手で書き起こす必要がなくなります。
- 一覧: 左にシリーズが並び、押すとそのシリーズだけにしぼり込めます(追加・名前の変更・削除も同じ場所)。名前でも探せます。
- 登録は専用の画面: キャラクターを登録 で移ります。画像・前提・ロール・AI の設定を決めて「解析して登録」。解析は裏で進みます。
- AI 1 画像を読む: 画像を読めるモデルで「顔・体格」「衣装」の 2 段落を作成。(所要の目安 →)
- AI 2 名前を考える: 名前候補 3 つを提案。名前の形(漢字の姓名・カタカナ・和風など)も選べます。(所要の目安 →)
- AI 3 プロフィールを書く: 性格・口調・背景などの人物像を創作。書いてもらう要素を選べます。
- AI の設定: モデル・コンテキスト・think をキャスト詳細と登録画面から変えられます(AI 1・AI 2・AI 3 でそれぞれ別に覚えます)。
- 衣装バリエーション / シリーズ機能: 同じキャラに複数衣装、作品横断でまとめる。
詳しい使い方は キャスト — キャラクター登録と挿入 を参照。
08 ロール画面
ロールの追加・編集・削除を行います。
- デフォルト(7 件)は編集・削除不可。
- カスタムロールは 名称 と ジャンル を入力。下にプロンプトのプレビューが出ます。
例: 名称 アダルトゲームライター / ジャンル アダルトゲーム → 「あなたは優れたアダルトゲームライターです。アダルトゲーム小説を書いてください。」
09 設定画面
Ollama の接続先を変更できます。上部のタブで「Ollama 接続 / ロール / 接続先ラベル / データ管理」を切り替えます。
- ラベル: GPU 識別用の短い名前(例
RunPod 3090)。 - ベース URL: 未設定なら環境変数
OLLAMA_BASEかビルトインhttp://localhost:11434。 - 「接続テスト」で到達可能か確認できます。リモート GPU は リモート Ollama も参照。
- データ管理タブでは、データベースの置き場所・サイズ・中身の内訳を確認できます。以前のバージョンから引き継いだ作品の本文をデータベースへ取り込む「統合」もここから。→ アップデート
バッチの安心機能
- タブを閉じても生成は続く — バッチはサーバプロセスで走り、ブラウザは表示用のビューアに過ぎません。
- サーバが落ちても記録は残る — 再起動時、途中のバッチは interrupted 状態で保存されます。
- 1 作品の失敗でバッチは止まらない — 次の作品から続行します。
生成の目安
生成にかかる時間は、モデルとマシン(とくに GPU の VRAM)で大きく変わります。小説の生成・キャストの画像解析・命名それぞれのモデル別の実測と「一晩で何本書けるか」の目安は、専用ページにまとめています。